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製作日記(2006年10月)
- 2006年10月27日 (金)
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2006年10月27日(金) 裏板のアーチ粗彫り。
堅い、堅い、楓。ようやく粗彫りがほぼ終わりました。手で持ってみると重さが半減したように感じます。写真右奥にある木の板は、ヴァイオリン用の裏板材です。こうしてみると、やはりチェロは格別大きい!
手に豆が少々できましたが、ようやくこの段階まできました。これが、普通の堅さの楓でしたらもう少し楽なんでしょうが、まあ仕方ありません。
表板も粗彫りしています。表板はスプルース(松)。こちらは、楽チン。すいすい削れます。裏板と同じ感覚でやっていたら削りすぎそうで怖いです・・・
2006年10月25日(水) 風邪の病み上がり。
久しぶりに風邪をひいてしまいました。恐らく他の人にうつされたのだと思いますが、不覚にも昨日は休んでしまいました。
さて、チェロ。暫く日記を更新していませんでした。すみません。表板、裏板のアーチを出す作業に入っています。大きいガウジ(シャベルと呼んでいます)で、板を削りながら、大まかなアーチを出していきます。それで、この裏板、ものすごく堅いです(^^;先生も「Realy Hard! Fuck!!」と言っていました。
同じ楓でも、どうしてこう堅さに違いが出るのでしょうか、木の密度のようなものなんでしょうか?私がこれまで削った中で、一番堅い楓だと思います。
とりあえず、シャベルでずっと削っていますが、良い具合に手の平に豆ができたりしてきました。まだ、手のひらの皮はむけていないので、多分まだまだなのだと思いますが。一応、タンスの奥から手袋を引っ張り出してきました。素手で痛くなっていよいよ我慢できなくなってきたら、手袋をしようと思います。
しかし、この作業いつ出来上がることやら・・・
2006年10月20日(金) 表板、裏板、切り抜きました。
裏板の平面出しを行ったあと、同じように表板の平面出しを行いました。しかし、この表板、サイズに全く余裕がありません。楽器ボディで一番横幅が広くなるLOWERバウツの箇所の幅と厚さです。定規で測ってみたら、幅で1mmもの余裕もなし。(←接ぎで苦戦した影響ですね。)厚さに関しては、0.2mmくらいしか余裕なし(^^;
まあ、でも本当にギリギリ足りているようですので、良しとしましょう。これ以上、削りたくありませんので平面出しも支障ないレベルで抑えています。
写真は、その後、大まかにアウトラインに沿って切り抜いた表板です。横板の上に乗っけてみました。やはりデカイです。
裏板も同様に切り抜きました。こちらもラフカットですので、まだゴツゴツしています。この裏板も幅に全く余裕なし。思うに、今回のモデルはゴフリラですので、お尻が横に大きいというモデルの形も影響している気がします。
蛇足ですが、以前、先生に聞いた話です。ある人がチェロを作っていたそうです。で、表板(ひょっとしたら裏板だったかも?)を横板につけようとしたのですが、なぜか横幅が足りません。もちろん、アウトラインを整形する際等にも、きっちりエッジのマージンをとっているので、普通なら足りないわけがないのですが・・・
実は、製作中に木が乾燥して、縮んでしまったそうなんです。エッジの幅分くらい。チェロは大きいので、乾燥が進んだ場合の、縮みも半端ではないというお話でした。(良く乾燥している材を使えるとは限りませんしね。)結構、怖い話ですね。
来週は、大まかにアーチを出す作業に入るれると思います。聞くところによると、この作業、特に裏板の楓は削るのが非常につらいようです。確かに、裏板の大きさを見ていると、いくら削っても一向に減っていかないような気がします。
2006年10月18日(水) 裏板最終平面出し。
ライニングを綺麗に掃除しつつ、接ぎの終わった裏板を取り出して作業しました。2枚の板を接ぎあわせるとどうしても、段差ができたり、接着面がお互いに90度になっていないと変な角度でくっついていたりします。で、また巨大カンナを取り出して、平面にすべく削り始めました。結構熱中していたので気づきませんでしたが、後から見るとすごい量のカンナくずがでていました。手のひらには、豆ができました(^^;←まだまだヤワな証拠でしょう。今日は良く眠れそうです。
2006年10月16日(月) 最終平面出し。
ライニング、先日、無事入れ終えました。やはりライニングが入るとボディが丈夫になります。これまではちょっとヤワだな~という感触がありましたが、ライニングが入って、妙に頑丈になった感じです。(すみません、写真撮り忘れました。)
ライニングを入れましたので、最終の平面出しをしています。サイズの目安は色々あると思いますが、今回は、UPPERで117mm、LOWERで120mmに整える予定です。大理石の平面台の上で、ライトあてて漏れる光の具合を見ながら隙間なくぴぴったり平面にしていきます。で、やはり難しい(^^;大まかにはできたのですが、細かい箇所を見るとやはり・・・時間もかかりすぎです。
2006年10月11日(水) ライニング。
ようやくライニングをつけ始めました(^^;といってもまだ表面なんですがね。
厚さ2.2mm、幅20mm超の板をアイロンで横板のカーブにあわせて曲げて、ニカワで横板に貼り付けていきます。ブロックには、ライニングがすっぽり入る溝をホジホジ掘って、その中に入れ込みます。
で、チェロは大きいので全てのライニングを一度に接着するには手持ちのクランプでは足りません。ですので、部分ごとに何回かに分けてライニングをつけています。
そういえば、以前、先生に「なぜライニングをつけるのか?」ということを聞かれたことがあります。横板の補強のためかなと思ったのですが、勿論それもあるでしょうが、「ライニングがないと、表板、裏板を横板に接着できない」という話をお聞きしました。確かに、横板(Vnで1mm少しの厚さでしょうか)だけでは、ニカワ付けできないと思います。妙に納得しました。
2006年10月6日(金) 表板接ぎました。
表板の接ぎ、またしても大苦戦。やはり、70点くらいまでは行くのですが、それ以上を目指そうとすると、なかなか難しいです。多分、まっすぐ削っているようでも、ふらついて削っていたりするのでしょう。また、両面での隙間の明け具合に違いがあったりしているのだと思います。あと、ひょっとしてカンナの裏が出ていないのではないかと思ってみたり。
夕方にニカワ付け。蛇足ですが、クランプでとめる際に、板厚が薄く直接クランプをかませることが難しかったので、適当な木材をボンドで貼り付けて、クランプの足場を作りました。よ~く見ると写真に写っています。先生に教えてもらったときは、なるほどと思いました。(最初に、Cバウツのところだけをえぐるようにラフカットして、そこでクランプする方もいらっしゃるようです。)
なんにせよ、表板の接ぎも終わった(ハズ)ので、少し嬉しいです。ただ、今回の表板は、購入時から横幅にほとんど余裕がありませんでした。それで、接ぎでカンナでせっせと削ってしまいましたから、横幅が足りているのかどうか、少し不安があります。
先生いわく「これで、一番難しい箇所は越えた。」本当でしょうか・・・
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製作日記(2006年9月)
- 2006年09月29日 (金)
- 製作日記
2006年9月29日(金) 裏板接ぎました。
先日から行っている接ぎですが、やはり難しいです。カンナで削っていって、自己採点で「可」くらいまでのフイッティングには行くのですが、その先の「良」を目指そうとすると、今度は段々と悪くなっていくという感じです。これを延々と繰り返す悪魔のパターンです。
で、今日も削っていたら、先生が見かねて手伝ってくれました。先生が取り出したのは、巨大カンナ。今回の楓はエライ固いので、また大きさもありますので、まずこのカンナで、大まかに削って、あとの微修正は通常のカンナというパターンです。で、観察していると、私と先生ではカンナでの削り方に違いがあります。先生は大きなストロークで広い範囲を大きく深く削ります。一方、私は先生に比べると、チョコチョコといった感じ。確かに、大きく削ったほうが、その範囲は綺麗に削れるようなので、そのほうが良いと感じました。しかし、そのためには刃がバッチリ良く研げていなければイケナイという・・・やはり研ぎは大事。
で、結局、先生と二人三脚で作業しました。夕方にニカワ接着。しかし、なんというか、微妙な気分。まず接ぎ、問題のないレベルであれば妥協も必要ということで、満点の出来ではありません。時間も大事という、ある意味、大人の判断かもしれません。それともう一つが、最後のフィニッシュのカンナをかけたのが私でなく、先生だったということです。たとえ上手くいかなくても、最後のカンナは、私がやりたかったなと。勿論、時間がかかると思いますが、やはり自分でやらないことには意義がないような気がします。このあたり、出来栄えと時間の関係、先生と生徒の関係。難しい問題かもしれませんね。
2006年9月27日(水) 裏板の接ぎ。
接ぎ(はぎ)をやっています。ヴァイオリン、ヴィオラと比べてチェロは板が大きいので、やり方もこれまでとちょっと違います。写真のように板をベンチに挟んで、接ぐ面をカンナで整えていきます。
で、クランプでとめてみて隙間がないかチェックするという感じです。こうやって活字にするとそう大した作業のように見えないかと思いますが、実際やってみると難しいです(^^;接ぎ合わせる二つの板がぴったり隙間なくくっつかないとイケマセン。隙間なく。どの程度のぴったりかというと本当にぴったりです。(←うまく説明できません。)
で、ぴったりはクランプで締めたときで、クランプで締めていないときは、中央部にごくわずかな隙間をあけます。つまり、当初は、ごくわずかに隙間があいている状態だけど、クランプで中央部にテンションをかけると、その隙間もなくなりぴったりくっついている状態。(←ごめんなさい。疲れているのでうまく説明できません。)
1日中、カンナで削ってフィッティングを確かめていましたが、難しい。クランプで締めても隙間がしまらなかったり、こちらを削ればあちらがという感じ・・・以前、チェロを作った人に聞きましたが、初めてのこのチェロの接ぎをやったとき、できるまでに1週間くらいかかったそうです。確かに、この作業難しいです。私、いつできることやら・・・
2006年9月22日(金) 裏板。
ライニングを入れる作業はちょっと横においておき、接ぎの前準備にコソコソ入りました。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ等お持ちの方は、楽器を見ていただくと分かりますが、例えば裏板。センターラインのところで左右二つの板をつなぎ合わせているのが見えると思います。このように2枚の板をつなぎ合わせるのを「板を接ぐ」と言っています。(接ぎをしていない1枚板の楽器もあります。)実は、楽器製作の勉強を始めてから、初めて知った単語なのですが、パソコンで「はぎ」と打っても変換されるので、それほど珍しい言葉ではないのかもしれませんね。
さて、その接ぎの前準備として、裏板を平面にする作業を始めました。裏板は、楓(かえで)という非常に固い木です。カンナで整えていくのですが、固い上に杢(もく)があるので、削るのが大変。ということで、私が苦労するのを見越してか、先日、先生が大きなカンナを貸してくれました。私がいつも使っているリーニールセンのカンナが子供に見えるくらい大きなカンナです。今日、そのカンナを使って削り始めましたが、なんというか非常にキツイ・・・
まず、裏板の大きさ。チェロ用ですので90cm以上の長さがあります(^^;そして、この裏板、結構、杢が深く、楓の中でも見るからに固いタイプ。そして、このカンナ。重い、ひたすら重い。もっとも重いので、杢に振られることなく削れるのは良いのですが、削っていると、腕にきます。体全体を使って削ろうとしているのですが、腕、パンパンです。そしてなぜか分かりませんが、削っているときに息ができません。無呼吸運動を行っている模様。だから余計にキツイのかな?リズム良く呼吸しながら削れるよう工夫しよう。(←おいおい、いったい何の話ですか・・・)
とりあえず、裏板1枚をほぼ平面にしました。当然、あと1枚あります。なんというか、キツさの半分はカンナの重さのような気がしてきました。自分のカンナでやってみようかな。
2006年9月20日(水) 平面出し。
久しぶりの更新です。寝不足気味ですが、寝ないように踏ん張りました・・・
さて、チェロ、あまり進んでいません(^^;とりあえず、ライニング材を作った後、平面出しの工程に入りました。裏面、表面とも、平面になるようにカンナで整えています。大理石の上で隙間ができていないか、がたついていないかチェックしながらの作業です。もっとも、まだライニングを入れていませんので、完璧に平面出しを行うというよりも、支障がない程度の大まかな平面を出しています。(というか、難しいので完璧な平面出せないかも(^^;)ライニングを入れると多少なりとも、面がくるってくるので、平面出しはまた後ほども行います。
これは、先日、ライニングを作た際の写真です。こういう作業のとき、いつも思うのですが大量に出るカンナくず。捨てるのもったいない気がします。(今回はチェロなので、いつも以上に大漁。)なにか有効利用できないものでしょうか?
2006年9月13日(水) 横板ニカワ付け終わり。
またしてもこねくりまわしてしまいましたが、ようやく、横板をつけ終わりました。横板が一周して、少しチェロに近づいてきた気がします。悪戦苦闘したので、やはり少し嬉しいです。
それにしても、もう少し早くできないものかと思います。まあ、要領の悪い私なので仕方ないのかもしれません。今回の横板での経験が今後に活きてくれば嬉しいです。ただ、チェロの横板は暫く勘弁です(^^;
次の工程は、ライニングでしょうか。多分、また大きいんでしょうね・・・
2006年9月8日(金) UPPERバウツニカワ付け。
デジカメ、一度分解してみたらなぜか直ったようです。原因分かりませんが、良かったです(^^
悪戦苦闘している横板。あれこれやっていますが、ようやくフィット具合等が良くなりましたので、UPPERバウツをニカワ付けしました。やれやれ、昨日、所要で休憩をとってリフレッシュしたのが良かったのか?これで、横板半分終わったので、少し嬉しいです。
また、こねくり回しているうちに(^^;、ようやくアイロンの使い方というか横板曲げのコツのようなものが少し分かってきたような気がします。(←多分、気がするだけです。)
ここまでは、良い話です。次は、悪い話。帰り間際、クランプを外そうとしていたら、クランプがずり落ちて、LOWERバウツのコーナー部の先端(ナイフエッジのように尖らせて削っているところ)を少し傷つけてしまいました(TT
ここのナイフエッジの部分は、後ほどの、コーナーの長さを揃える際に削るので、大丈夫だと思いますが、気分、一気に落ち込み・・・
教訓、「クランプを外す際は、いっしょに付けている他のクランプにも要注意」byとらもくせいじん。
(クランプを一つ緩めると、締め付けのテンションが変わるので、その他のクランプも緩んだり、外れたりすることがあるため。)
2006年9月5日(火) 横板曲げ。
最近、デジカメの調子がイマイチです。もう8年以上使っているので、寿命と言われても、おかしくないんですがね。ちなみに、私の携帯電話も今時の携帯ではないので、当然、カメラ機能はついていません(TT
先日、手の傷の包帯が取れました。もう病院に行かなくて良いです。やれやれ。まだカサブタのようになっていますが、これで、左手が自由に使えるようになりました。嬉しいです。
チェロですが、ブロック削りも一通り終え、ようやく横板を曲げ始めました。またしても横板。そして、またしても・・・
なかなかどうして、素直に曲がってくれないのです。ムキになるほど、悪化するという、悪魔の悪循環に陥りそうな気配。
でも、ここで苦労すれば、ヴァイオリンのときに、楽に思えるのかな等、妄想したりして頑張ろうと思います。
横板、キライにならなければ良いですが・・・
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製作日記(2006年8月)
- 2006年08月30日 (水)
- 製作日記
2006年8月30日(水) ブロック削りと一時帰国。
日記更新し忘れていました(^^; Cバウツの横板、
昨日、無事ニカワでつけ終わりました。なんだかんだで右側の横板がうまくフィットしてくれず、また悪戦苦闘してしまいましたが、まあ無事付いてくれたので良かったです。(うまくフィットしなかったのは、十中八九、ブロックの削りが悪かったからです。)色々と苦戦したので、少々焦げあとがついてしまいました。もう少し手際よく曲げれれば良いのでしょうが、やはり難しかったです。
Cバウツの横板がつきましたので、UPPER、LOWERの横板に取り掛かる前に、ブロックの整形を始めました。チェロ用のブロックガウジで削り始めました。今度は手に刺さないよう注意しよう(^^;先生いわく、削る道具は何でも良いそうですので、今度は豆カンナも使ってみようと思います。
本日、韓国の楽器店で見習い修行している先輩が一時帰国。元気でなによりです。
手の傷、ホッチキスもとれ、結構よくなってきました。もうすぐ包帯もはずれそうです。やれやれ。
2006年8月25日(金) 横板一つ付けました。
曲げていた横板。ブロックへのフィット具合もOKになりました。先生に教えていただき、写真のようにクランプ4つで締め付けています。チェロは大きいだけあって、こういうやり方でも許されるみたいです。この点だけでもヴァイオリンとは違いますね。左側の横板をニカワ付けしました。少し嬉しい。
次は、もう片側の右側の横板ですね。ゼーゼー。
2006年8月24日(木) 横板を曲げ始めました。
蛇足ですが、先日の手の平の傷。アロンアルファで固めているので、痛くはありません。で、このままで良いかなと思っていたのですが、ちょっと興味がてら傷口を見てみたら・・・なんというか、口がぱくっと開いている感じですね。少しグロテスク。おまけに、アロンアルファで貼り付けたテイッシュを剥がしていたら、また血がでてきました。
どうしようか迷いましたが、やはり早く直したいので病院に行ってきました。外科の先生に診てもらいました。「傷口が開いた状態になっているので、これをとめましょう」と。ホッチキスで傷口をバチンバチンととめられました・・・ちょっとびっくりしました。
(ちなみにアロンアルファの利点は、多少手を使っても痛くないことだと思います。なのですぐ作業できる。多分、医者的にはご法度だと思いますが。)
その後、工房に行って、チェロのCバウツ部分の横板を曲げ始めました。方法はヴァイオリンと同じで、水で湿らせた横板をアイロン(服にかけるアイロンじゃないよ!)に押し当ててCバウツの形に曲げていきます。で、うまくいきません。
なんというか、まず厚さがあるので、本当に全体重を乗せて曲げています。が、高さがあるので、なかなか均一に曲がってくれません。例えば、下の方と上の方で曲がり具合が違っていたり、ねじれてきたりと・・・
あれこれ、やっていたら段々、焦げ目が付き始めました。憂鬱。近いところまで行っても、ブロックへのフィット具合がイマイチだったりと。ブロックの削りも完璧ではないので、そのあたりにも原因があると思います。
でも、まあ、少しずつコツのような物が掴めてきた気もします。コゲコゲにならないように祈ります(^^;
2006年8月22日(火) グサリ。
久々にやってしまいました。手の平をグサリと・・・
ガウジ(丸ノミ)が机から落ちそうだったので、それを防ごうと手を差し伸べたところ、勢い余って刃先で手のひらを切ってしまいました。イエ、手のひらを切ったというよりは、手の平にノミが突き刺さってしまった感じです。私の不注意が原因なのですが、いや、困った。結構、大きくて深い傷です。(さすがに写真はありません。)
切った後、急いでテイッシュで傷口を押さえて止血したのですが、血が止まらない。チェロ用のガウジは大きいですし、今朝研いだばかりだったのが仇になったのか?
病院に行って、縫ってもらおうとも思ったのですが、それもちょっとイヤなので、このまま止血。結局、2時間くらい傷口を押さえて血が止まりました。
その後、職人さんが良く行う必殺技を教えてもらいました。
先ずは、テイッシュに、アロンアルファをたらします。(アロンアルファは水状のものでなく少し粘り気があるタイプが望ましい。)それで、アロンアルファをたらしたテイッシュを傷口に強く押し当てます。テイッシュで傷口を完全に塞ぐわけです。くっついたら、念のためテイッシュの上から消毒液をたらして、最後にガーゼや包帯等巻いておけば完成。これで傷口が開く心配が少なくなります。(でも、直りの早さや傷口の綺麗さからいうと、多分、お医者さんに縫ってもらうのが一番良いのでしょうが・・・)
2,3日は手のひらが使えないと思います。左手なのが幸いかもしれませんが、でも、困った。
ということで、本日は作業ができなくなりましたので、早々に切上げて帰宅しました。
2006年8月19日(土) Cバウツ部分のブロックを削り始めました。
お盆休みも終わりましたので、工房がひらきました。さて、チェロ。暫く間があいてしまいましたが、作業を始めました。型(フォーム)につけたブロックのCバウツ部分を削る工程です。
先ずは、工房にあったチェロ用の?ブロックガウジを手入れしました(錆びていたし、刃がガタガタ)。で、削ろうと思ったのですが、どうやって削ればよいのか暫し考えてしまいました。ヴァイオリンみたいに、手に持って削るには重すぎるし。工房のベンチのバイスにフォームをはさんで削ってみたり。
結局、写真のように、高さをあわせる簡単な台を即席で作って、机の縁に押しあてて削っています。我流なので、良いかどうか分かりませんが。
削りはじめて、気づきました。スコヤ(垂直を見たりする道具です。)の高さが足りない・・・チェロのときは、大きいスコヤが必要みたい。どうしよう・・・
2006年8月17日(木) スクロール。
お盆ですが、先生宅にお邪魔してきました。製作中のチェロは大きすぎて電車で持ち運べません。どうしようかと考えましたが、以前買い置きしていたヴァイオリン用のネック材に余りがありましたので、とりあえず、ヴァイオリンのスクロールを作り始めました。いつか、このスクロールに付けるボディも作るでしょう・・・
先日完成した、ヴァイオリン用のストラド型テンプレートを使いました。で、スクロール全体のアウトラインを整えるためヤスリでギコギコ整えていたのですが、どうも時間がかかりすぎてしまいます。先生も、もっと早くしろ!という感じ。
全体のアウトラインを整えた後は、1段目の渦巻きが見えるよう削り始めました。で、この段階に来て気づいたのですが、ペグ穴を開けるのを忘れました・・・まあ、スクロール完成後にペグ穴開ける人もたくさんいらっしゃるそうですので、大丈夫みたいですが。
まだまだ作り始めですが、暇な時間等にちょこちょこ作ろうと思います。
2006年8月11日(金) 横板3兄弟。
チェロの横板3枚、3兄弟。ようやく完成。結構な期間、スクレーパーで削っていました。面積が大きいだけあって、0.1mm削るのにも思いのほか時間がかかります。トホホです・・・
色々と拘らなければもっと早くできるでしょうが、「どうせ作るからには拘りたい」という想いもあります。そのあたり、どう折り合いをつけるか、でもまあ、時間は大事なので、もう少し大胆に、要領よくやるべきとは思います。
蛇足ですが、スクレーパーで削っているときに、横板の縁で指を切ってしまいました。横板は楓という木ですが、これが、思いのほか痛いのです。風呂に入るとしみる、しみる(TT
一つ残っていた、TOP部分のブロックもようやく、つけました。次の工程は、Cバウツのブロックを楽器のアウトラインにあわせて削る作業でしょうか。
世間では、お盆休みですね。暫くの間、工房もお休みになりますので、自宅でできる作業をしたり、また先生宅にお邪魔して作業したいと思います。
2006年8月2日(水) 横板。
チェロの側面に使う横板を作っています。材料は、裏板と同じ楓(かえで)なのですが、チェロだけあって大きいです。(って写真を見ていただければ分かりますね(^^;)
写真のような板で、端から端まで均一に同じ厚さ(理想は0.1mmの誤差もなく)のものを作ります。 最初はカンナ(ギザギザの刃=Tooth Blade)で表面の傷や凹凸をとって、最後にスクレーパーで綺麗に仕上げます。で、これが、これが、大きいだけあって大変です。ひいこら言いながらやっています(^^; 写真の横板の他に、あと2枚、同じのを作らないとイケマセン・・・良い修行だと思います。
チェロを作ると、少しは要領が良くなるかな?そういう気も少ししています。
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製作日記(2006年7月)
- 2006年07月29日 (土)
- 製作日記
2006年7月29日(土) ブロック。
チェロのブロックをフォーム(型)にニカワ付けしました。クランプを使いました。
で、写真を見ると、TOP部分(写真右端)のブロックがありません。実は、工房に置いているブロック材が足りなくなってしまいました・・・チェロ大きいだけあって、ブロック材も大量に必要なんですね。トホホ・・・
こちらはヴァイオリン用ですが、ストラド型のスクロールのテンプレートを作っています。材料は真鍮版。金やすりでギコギコ削っています。(多分、金属粉を大量に吸い込んでいると思います。体に悪そう・・・)完成したら早速使いたいです。
2006年7月26日(水) チェロ。
ヴァイオリンもホワイトの形になり、一息つきました。さて、次の楽器ですが、無謀にもチェロに挑戦ということになりました。
型(フォーム)まで作るとエライ時間がかかるので、型は先生にお借りしました。比較対象が写っていないので、大きさの判断がつかないかもしれませんが、でかいです。重いです。私の机の上は、この型で占領されてしまいました。
ブロックを作り始めました。チェロは、ヴァイオリンに比べて何でも3倍かかる、と誰かから聞いた気がします。で、ブロックを作っていて、体感上は、3倍以上かかるような気がしています(私の場合)。作業していると、自分がいま何を作っているのか、良く分からないような不思議な感覚に陥ります。言い過ぎかと思いますが、なんだか精神修行のようなものも兼ねている気がします・・・
チェロは家具だ、チェロは家具だ、チェロは家具だ!
すみません、独り言です。クレイジーにならないよう頑張りたいと思います。
2006年7月21日(金) ホワイトヴァイオリン。
なんだかんだで、またしても時間がかかってしまいましたが、最後の掃除も切り上げて、ホワイトヴァイオリンの形になりました。(本当にこの最後のクリーニング作業はキリがないです・・・)
掃除したかいがあったかな~?楽器ボディの型は一応グァルネリ・デル・ジェスです。
先生によると、私のウイークポイントの一つはスクロールとのことです。もっと綺麗に出来るよう頑張りたいと思います。また、ヴァイオリン自体に、少し堅さが見れるとのことで、次回からはもう少し力を抜いた感じが良いとのことです。(手を抜くというのとは別です。)それと、勿論もっと速く作れるようにならないとイケマセン。
このホワイトヴァイオリンは、特殊処理のため、本日先生にお渡ししました。どのような感じになるか楽しみです。
次に挑戦する楽器をどうするか、色々と考えています。ストラド型のヴァイオリンを作ってみたいな~、思い切ってチェロに挑戦(←ホンマかいな?)などなど想い描いています。
2006年7月20日(木) 弓の毛替え。
久しぶりに弓の毛替えをしてみました。もちろん自分の弓です。この弓は以前、格安で入手したものですが、その後ずっとお蔵入りになっていました。良い練習材料です(^^;
今回は毛を糸で結ぶ際の毛の引っ張り具合に注意してみました。毛のテンションに注意しようと。それが良かったのかどうか分かりませんが、前回よりはテンションも良くなった気がします。くさびも作りました。総合的に前回よりは少しは良くなっている気がします。(←気がするだけです。)
しかし、この弓、ちょっと気になるところが数点。まず、くさび穴にボンドが思いっきり残っていました。なのでくさび穴がガタガタ。楽器店さま、安い弓ですが、ボンド使うのはホント勘弁してください。
それと、弓の弓先が曲がっています。(弓のフロッグ側から見て右側に)確かにヴァイオリンの場合は、そちら側に若干テンションをかけるよう毛を張るということも聞きます。それの影響なのか、弓の使い方なのか、良く分かりませんが、曲がっています。
一応、恐る恐るやってみました。反り入れみたいに(といっても反り入れできませんが。)アルコールランプでスティックを炙って・・・良くなった気がします。が、やはり難しい。職人芸が要求されます・・・
毛替えは、数をこなすのが大事だそうです。あまり間隔をあけずにやっていければと思います。
2006年7月13日(木) ヴァイオリン綺麗にしています。
ヴィオラが一息つきましたので、再びヴァイオリンです。製作中についてしまった汚れ等をスクレーパーや紙やすりを使って綺麗にしています。また、最後の修正ということで、ちょっとした箇所の微修正を行っています。
しかし、この作業、”きりがない”作業の典型かもしれません(^^; 拘るといくらでも延々と作業できます・・・どこかで決断して終わりにしないといけないのですが、このヴァイオリンはもう少し手を入れたいです。
特に、楽器の縁のエッジ。ここはできれば念入りにやりたいです。先生が良く言われますが、ここの処理如何によって見栄えが随分変わるそうです。ですので手をかける価値は十分あると思います。(というか、難しい処理なので私の場合、必然的に手間・時間がかかってしまいます(^^;)
この作業が終われば、ホワイトヴァイオリン完成です。
2006年7月6日(木) 驚きのヴァイオリン。
思わせぶりなタイトルですが、少々驚いたことがありました。
1台目のヴァイオリンです。このヴァイオリン、完成してから1年近くたっています。で、たまに取り出して試し弾き等するのですが、作業が忙しくなってくると、ケースの中に仕舞いこむことが多くなってきます。特に最近は、ヴィオラが終盤にさしかかったり等で、あまりケースから出すこともなかったのです。可愛そうですね。
今日、久しぶりにケースから出して弾いてみました。びっくり。音が変化しています。それも「ちょっと音が変わったかな~?」という程度でなく、結構大幅に・・・
調整等したわけでもなく、ただケースに入れておいただけなんですけどね。良く響くようになっているし、以前の欠点だった部分もかなり押さえられています。良い方向に変化していると思います。
しかし、ここまで音が変わるというのも不思議です。少し時間がたってひずみが取れてきたのか、木が良い具合に乾燥してきたのか、それとも・・・。作った本人にも良く分かりません(^^;
でも、まあ嬉しい出来事でした。親がさぼっていても育ってくれていたようです。今後はメイン楽器と同じくらい弾いてあげようと思います。
2006年7月4日(火) ヴィオラ弦を張ってみました。
ヴィオラ、まだ手をつける部分はありますが、大体の準備ができました。購入したばかりの真新しい弦を張ってみました。1台目のときもそうでしたが、嬉しい反面、ちゃんと音が出るのか緊張の瞬間です(^^;
で、調弦、弾いてみる。でかい!ヴィオラらしい、大きな音!音ちゃんと出て少し安心!?実際、音を聴くと嬉しいですね(^^;
ただまだ手をつけないといけません。特に駒はとりあえず立たせている状態です。高さや厚みの調整、またハート部分等を整えたりと作業が残っています。これからどんどん音が変わっていくと思います。
でも、まあ、なんだかんだでヴィオラらしい音が聴けたので嬉しいです。あとは、アゴあてを調達しないといけません(^^;(写真ではヴィオラの色は黄色っぽくも見えますが、実際は茶色っぽいです。照明の関係なんでしょうかね。)
2006年7月1日(土) ペグ。
調弦にかかせないペグ。買ってきたばかりのペグはサイズが大きいので、先ずは、ペーグシェーパーという道具でテーパーを合わせて削りだします。
で、ペグ自体ができたら、次は楽器本体へのペグ穴あけです。これまたリーマーと呼ばれる道具を使ってペグが入る穴をあけていきます。
この作業、非常に微妙な削り具合が求められます。クレモナの菊田さんもおっしゃられています。「考え事をしながらこの作業をするのは厳禁」と。今回、この言葉が痛いほど分かりました(TT
間違っても「駒の足、どうやったら完全にフィットできるんだろう」など、考えながら作業してはいけないのです(←私のことです)。また、できれば、心が落ち着いているときに、時間的に余裕のあるときにやった方が良いのかもしれません。
油断していると、すぐに「ああっ穴が大きくなりすぎた・・・」ということになってしまいます。こうなると心臓に悪いです。何とか挽回しましたが、もろもろと代償を払いました。まあ、これもまた勉強ということなのかもしれません。「ペグ穴あけは慎重すぎるほど慎重に」ということを肝に銘じておこうと思います。
寿命が3ヶ月縮まりました。
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製作日記(2006年6月)
- 2006年06月29日 (木)
- 製作日記
2006年6月29日(木) 駒の足。
ヴィオラの駒の足をあわせています。表板の所定の場所にぴったり隙間なく立つように足を削っていきます。そしてこれが、難しい。合わない(^^;
ナイフであと1、2回削ればOKというような段階までは行くのですが、その最後の試練をクリアできず、堂々巡りです。
ナイフ1本でやるように教わっています。ノミを使ったり、チョークを使ったりすると幾分かは楽になるのでしょうが、海外のプロの方は皆さん、ナイフ1本でやっているそうです。それに慣れればナイフでやる方が早いのだそうです。私のナイフの使い方が悪いのか・・・
まあ、また迷走していますが、不思議とそれほど落胆していません。簡単にさくっと出来るよりも今の時期、試行錯誤もまた必要と感じています。
2006年6月26日(月) 魂柱立てました。
いよいよ終盤にきたヴィオラ、魂柱にとりかかりました。すこし長めにカットして、表板・裏板とのフィッティング具合を確認。ちょとづつ削りながら、程よい位置に立つようにしていきます。しかし、このフィッティング作業、まだ慣れていません(^^; 何度も何度もちょこちょこ削って確認しながら作業。時間かかりましたが、ようやく立ちました。
しかし、良く見ると分かりますが、魂柱立てでf字孔をこすってしまい、少しニスがはがれてしまいました(TT 1台目のときよりは、酷くないですが、やはり素人魂柱たてですね。もっと上手くできるようになりたいです。(魂柱立てにゴムなどを巻いたほうが良いかもしれない。)
とりあえず、自分なりに魂柱をたてましたので、明日、先生にチェックしていただこうと思います。
ちなみに私の先生の体験談。魂柱のフィッテング。ナイフの1カット(ひと削り)だけでピッタリあったことがあるそうです。これまでの人生で何回かしかないそうですが、う~ん、極めればここまで出来るのでしょうか?
2006年6月22日(木) チビ助。
久しぶりのチビ助です。透明のニスを2回ほど塗りました。チビですが、なかなかどうして、杢が良く出ています。色付きのニスを塗ってあげたいですね。
ヴィオラ用の魂柱を作りました。材料をどうしようかと思っていましたが、ふと思い出しました。接ぎまでしたけど、松脂だまりが発覚して、結局使えなくなってしまった、ヴァイオリンの表板。机の奥底に封印していましたが、このまま何にも使わないのは勿体ないですね。バッサリ切断して魂柱材にしました。しくしく・・・
2006年6月21日(水) ヴィオラ終盤?
ヴィオラの状況です。指板を本付けした後はナットの工程。ニカワ接着し形を整えました。が、私の好みとは少しズレてしまい、少し丸っこくなってしまいました。このナットの形というか正面からの見え具合、製作者によって結構様々なような気がします。皆さんそれぞれスタイルがあるみたい。
続いて、ネックと指板の間にできている微小な段差取り等。ヤスリやサンドペーパーを使っての作業です。同時に指板のエッジ落しもやりました。このあたり、丁寧にやっていないと、ネックを握った際に、「指板のところが出っ張っててちょっと痛いなあ」ということになっちゃいます(^^;
その後、ネックに薬品を塗布。このあたりは企業秘密なのかもしれませんので、詳しく書けません(^^;
明日、もし出来れば魂柱を作ろうと思います。あ、しかし、その前に魂柱用の材料を探さないと・・・みなさん、魂柱材はどのようなものから調達されているのでしょうか?
2006年6月15日(木) パーツ購入。
ヴィオラですが、指板の本付けをして、そろそろ最終段階ということで、パーツを購入しました。毎回、お世話になっているタツノヤ商会さんです。
ローズウッド、柘植(ツゲ)、黒檀、どれが良いかなと迷いましたが、またしても黒檀にしてしまいました。黒檀なら無難に合いそうかなと思いまして。購入したのは、テールピース、エンドピン、ペグです。1万円が飛んで行きましたが、これはしかたない。必要経費(^^;
アゴあては後回し。なぜかと言うと、ヴァイオリン用のアゴあてが使えるかもしれないと聞きまして。タツノヤの人によると、ヴィオラ用とヴァイオリン用で本質的な違いはないみたいです。違うといえば、ヴィオラ用は、ヴィオラの表板と裏板をはさめるよう、大きな幅を取れるようにできていること。もっとも、その幅調節もアジャスター部品を売っているので、ヴァイオリン用で幅が足りない場合は、アジャスター部品を取りかえればヴィオラにも使えるのだそうです。
あとは、ヴィオラの駒も購入。やはりヴァイオリン用に比べてデカかったです。
参考までにチェロ用の材料も少し見せてもらいました。材料一式で15万円以上になりそう・・・やっぱりお値段張りますね。手が出ない。
チェロ用裏板材:9万円~ チェロ用ネック材:3万円~
2006年6月13日(火) ネックセット。
ずいぶん間が空いてしまいました。実は先週半ばから先生が出張されており、その関係でヴァイオリンにはあまり手をつけていませんでした。自分で勝手に進んでも良いですが、こういう場合、ポカをやることがあります。そういうことをこれまでに学んでいますので・・・
先生が留守の間は、ネックシェイピングや、ヴィオラのニス関係、小道具等を作っていました。
そういう関係で今日ようやくネックをニカワ付けしました。ほとんどヴァイオリンの形になってきました。
2006年6月7日(水) ネックの仕込み。
楽器ボディにネックをはめ込む溝ができました。ネックをはめ込んだ際に、左右どちらかにブレていないか、水平に入っているか、高さやネックの長さは大丈夫かなどを確認しながら目安の値に追い込んでいきますが、すべてが微妙にからんでくるので難しいです。私の場合は緊張しっ放しで神経を使う非常に疲れる作業です(^^;
エライ時間がかかって仕込みできました。私の先生は1時間ほどでできる作業だそうです。トホホ。
ニカワ付けする前にまだ作業がありました。次はネックシェイピングです。
2006年6月6日(火) ネックセット開始。
いよいよネックセットに入りました。楽器ボディにネックがぴったり入る溝を作っていきます。神経を使う作業です。明日、ニカワ付けできるとうれしいな。
2006年6月2日(金) 指板アーチ整形。
仮付けした指板、いよいよアーチ整形。アーチのテンプレート通りに綺麗なラウンドに仕上げます。最初はカンナで削り、次にサンドペーパーで仕上げます。で、撃沈・・・うまくできません。
何度も何度もやってもうまくいかない。う~ん、どうしてなんでしょ。ここで、冷静に原因を考えれば良いのでしょうが、だんだんムキになってくるので、疲れ果てるまでつっぱしってしまうパターンです。
で、ようやく考えてみるに、先ず、カンナで削るのは、大丈夫です。テンプレにかなり近いところまで行っています。で、次のサンドペーパーをかけるときに、形が崩れていっちゃってるみたい・・・
原因は、単純。私は、指板のアーチに合わせたサンドペーパー台を自作しており、それにサンドペーパーを巻きつけて指板を整えているのですが、何のことはない、このサンドペーパー台のアーチカーブがきつかったみたい。(カーブが合っていなかった。)これじゃ、ちゃんと整えられるわけありませんね。
夕方になってようやく原因に気づきましたが、削りすぎて指板の厚さ(高さ)に全く余裕なし。少し消沈。
でも、まあ、最近はこう考えるようになりました。簡単にできるよりも、あれこれ悩んだり苦労してやるほうが、今の段階、大事なんじゃなかろうかと。少なくとも、なぜ上手くいかないんだ~と考えたり、原因を推察したりと、色々なことを考えるわけで、こういうのは、目に見えずとも経験として少しずつ自分の中に蓄えられていっていると思います。長い目で見れば案外、悪くないんじゃないでしょうか?←すごいプラス思考、敗者の論理かもしれませんが・・・
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製作日記(2006年5月)
- 2006年05月31日 (水)
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2006年5月9日(火) ヴィオラ・ニス塗り20回目。
ゴールデンウィークも終わり、工房作業も普段通り再開しました。
先ずは、ヴィオラ。20回目のニス塗り。この回数にきても、濃いニスを使っていますので、結構神経を使います。
でも不思議ですね。照明によってニスの見え方が違うんです。暗いところで見たときと、蛍光灯の下で見たとき、色が全然違います。
以前、聞いた話。「ホテルで楽器の商談をしていたとき、その楽器のニスが気に入った。素晴らしい色のニスだった。それで、多額のお金をはたいてその楽器を購入したが、家に帰って、楽器を見てみると、素晴らしいどころか、良くないニスだった・・・」
実話のようです。こういう話を聞くと、楽器を見るときは、照明って大事なのかなと思います。
ヴァイオリン。スクロール、全然、進んでいません・・・とりあえず、渦巻きは大体巻いたので、ペグボックスを彫り始めました。
2006年5月13日(土) 毛替え。
最近、ちょこちょこしたことが続いています。ホームページの更新も滞り気味。ごめんなさい。
ものすごく久しぶりに弓の毛替えをやってみました。もちろん自分の弓です。
毛替えといっても、入っていたくさびをそのまま使ってしまいましたので、似非毛替えですが・・・久しぶりにやったので、手順も忘れがち・・・
あまりうまくできませんでした・・・写真のように、毛がたゆんでバラバラ。もっとも、この後アルコールランプであぶったので、毛のたゆみはなくなりましたが、まさに素人毛替えですね(^^;
加えて、テンションが均一でなく、毛の中央が強く、左右が弱い。毛の左右の端が少しゆるくて落ちている感じになってしまいました。毛替えのときの毛を糸で縛る際の毛の引っ張り方が悪いのでしょうか?
楽器を弾いてみましたが、やはりちょっと弾きづらいかも。私レベルで、そう感じるので、上手な方の場合は、結構弾きづらいかもしれませんね。毛替えも練習しようと思います。
2006年5月23日(火) フルーティング。
ようやくスクロールのフルーティング(呼び方はこれで合っているのでしょうか?)に入りました。まずは、ノミやナイフで大雑把に削りました。その後、サンドペーパーをかけ始めました。
久しぶりの更新ですので、ここ1週間ほどをまとめて書きます。
ヴィオラは、色付きのニス塗りが終わりましたので、色のついていない透明ニスを5回ほど塗りました。ニスを乾かすために現在は壁につるした状態で、暫し休憩です。
ヴァイオリンはスクロールのペグボックス彫り。ボディ本体は、表・裏の大まかなエッジ処理を行った後、サドルを作成、ニカワ付けしました。
う~ん、いかん。作業、あまりすすんでいませんね(^^;
2006年5月25日(木) スクロールを綺麗にしています・・・
フルーティングの次ですが、スクロールを少々綺麗にしはじめました。まだスクロール横面にノミで削った跡などがついていましたので、こういったノミ跡をとって、綺麗にしています。
スクレーパーやサンドペーパーを使って昨日より作業を始めたのですが、やればやるほど悪化する気配・・・。どういうことかというと、例えばサンドペーパーを使って、面を綺麗に整えると、スクロールのアウトラインもちょっと変わってしまう・・・で、そのアウトラインを整えようと、またノミで少々削ります。そしてまたサンドペーパー等で面を整えると、あら、アウトラインが・・・(以下、無限ループ。)
無論、私のやり方が悪いのでしょう。こういったパターンに陥ると、ムキになって回りが見えなくなってしまいます。いったん、手を休めて置いておけばいいんでしょうが、どうしても気になってしまうんです・・・手をつけたくてウズウズ・・・ああ、悪魔の悪循環ですね。(ヴィオラのときに、痛い目をみたパターンです。)
とりあえず、写真のようになっています。不完全燃焼ですが、これ以上手を入れるとさらに悪化しそうなので、今日は引き上げてきました。しかし、こんな写真載せているの私だけかもしれませんねぇ・・・(まだ手遅れではないと思いますので一応掲載していますが。)
サンドペーパー嫌い!次回からは、スクレーパー1本でやろう!?
そうそう、今日、タツノヤさんに行ってヴァイオリンの指板を買ってきました。高い指板は綺麗ですね。(もちろん高い指板買えませんが。)タツノヤの○谷さんから日本バイオリン製作研究会の展示会のハガキをいただきました!
2006年5月29日(月) 指板を削りました。
ヴァイオリンですが、スクロールはひとまずおいておき(失敗したわけじゃないよ!)、先日購入した指板に手をつけました。指板の裏面を平らに削った後、微妙な反りを入れつつ、目安のサイズに整えていきます。しかし、指板は黒檀という非常に堅い木ですので、削るのが大変!刃が良く研げていないと綺麗に削れません。研ぎは大事です・・・
とりあえず、ネックに仮付けできる状態に整形しました。(この段階では、まだ指板のアーチは整えていません。)しかし、黒檀削るの大変です。プロの職人さんはどれくらいの時間でできるのでしょうか?
2006年5月31日(水) 指板仮付け。
昨日、韓国に行っている工房の女性先輩が久しぶりに戻ってきました。韓国の楽器店に見習いのような形で勤めており、さらに楽器店の従業員さんのところにホームスティしています。つもる話もあるので、久しぶりに皆で飲みに行ってきました。
さて、ヴァイオリンですが、指板を少々整えた後、ネックとのフイッティング具合を調整して仮付けしました。
斜めに曲がってついていないかな?一応、何回も確認しました。
スクロールの方も、大まかにですが、エッジを少し出しました。こんな感じです。ひとまずこれくらいにして、後ほど綺麗にしていければと思います。
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製作日記(2006年4月)
- 2006年04月29日 (土)
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2006年4月3日(月) 裏板厚さ出し。
裏板裏面をスクレーパーで削っています。杢が深くてなかなか削りにくいです。まずは目安の厚さにしようと思いますが、わずかに薄くしてみたいなと思ったりしています。
チビ助にも手を付けました。とりあえず全身にオイルを塗っています。
そうそう、エイプリルフールのニュースごめんなさい。笑って許してやってくださいね。
2006年4月4日(火) 裏板厚さ出し終り。
裏面の厚さ出しですが、先ずは、目安の厚さに。手でたたいたときの音(響き)もそんなに悪くないようでしたので、先生にお見せしました。人によってチェックポイントは色々あるようですが、先生によると、少し力を入れて裏板を歪めてみて、裏板にどのくらいしなりがあるか見るのもポイントだそうです。あまりしならないようだったら、もう少し削ってみる等。
それと、今日、嬉しいことがありました。以前より、スクレーパーが切れないことに悩んでいたのですが、その原因らしきものが判明。工房の仲間が教えてくれたのですが、研ぎが悪かったようです。私、スクレーパーを研ぐときに、横研ぎで研いでいました。もっとも横研ぎでもキチンと研げば切れるのでしょうが、私の場合、まだ未熟者ですので、「研げた」と思っていても、実は研げてなかったようです。今日、試しに、縦研ぎで研いでみると、スクレーパーが良く切れる!たまたまかもしれませんが、(^^;
刃の返しが悪いのか、研ぎが悪いのか、はたまた別な問題なのか、これまで原因がよく分かっておらず、悩んでいたため、正直嬉しいです。←こんなことで悩んでいるの私だけでしょうか?
研ぎについては、一生勉強かもしれませんが、徐々にでも上達できればと思います。なお、縦研ぎ、横研ぎについては、高橋さんのホームページに詳しく解説されていますのでご紹介。さすが高橋さん。高橋さんホームページ(砥石奮戦記の13.横研ぎ、縦研ぎ、斜め研ぎに載っています。)
2006年4月5日(水) パッチ。
性懲りもなく、裏板にもパッチを始めました。パッチの材料は、楓でも松でも良いようですが、裏板と同じ楓材を成形して作っています。
写真を良く見ると、ピンが見えるかと思います。なぜ、この段階でピンが見えるかと言いますと↓
このヴァイオリンは、ハーフピンにしてみました。私の先生は、ハーフピンが大好きです。それを見習ってのことですが、私は初体験。象眼を入れる前の溝堀の前段階で、ピンを入れ込んでいます。その上から象眼を入れて、ピンがちょうど半分見えるようにしています。演奏者の方は、まず気にしない、製作者のこだわりや遊びの部分だと思います。
話は変わりますが、昨日のスクレーパーの研ぎについて。昨晩、寝ながら考えましたが、横研ぎや縦研ぎといった以前に、研ぎの技術が未熟で、丸刃になってしまっているのが切れない原因ではないかと思います。私が使っているスクレーパーは、0.2mmや0.3mm厚といった(私にとっては)薄いものですので、一定の角度を保って研ぐのが難しく、グラつきながら研いだ結果、丸刃になっているのでないかと・・・縦研ぎで研げば、砥石に接地する刃先の面積が大きいので、より広い範囲を一定の角度で研ぐことができるのではないかと・・・あくまで想像ですが。まあ、もう少し悩んでみます。
2006年4月8日(土) 裏板本付け。
裏板のパッチですが、昨日無事終了。パッチは裏板の余り材を流用しました。でも、同じ楓でも杢のあまりない軟らかめの楓の方が加工しやすいかもしれませんね。
パッチも終わりましたので、裏板を本付けしました。キチンと付いていると良いな~
2006年4月11日(火) 表板本付け。
表板を本付けする前に、楽器内部を綺麗に掃除。はみ出ているニカワをスクレーパーで取ったり、ブロックを綺麗に削ったりしました。なんとか、綺麗になりました(^^
続いて、表板を本付けする前に、横板にメッセージを記入。このメッセージを書けるのは、製作者の特権?ですね。普段、見えない箇所にこっそりと書きました。なんて書いたかは秘密です!
2006年4月12日(水) ネック切り出し。
楽器ボディが一区切りつきましたので、ネック・スクロールに入りました。ネック材にテンプレートから形を写し、切り抜きました。自作のグァルネリ型のテンプレートを使いましたが、ストラド型の方が良かったかな?まあ、もう切り抜いてしまったので後戻りできません。
ノミで大体の形にまで近づけた後、ヤスリでゴシゴシ整え始めました。(まだかけはじめなのでゴツゴツしています。)この作業する時、毎回思うことですが、粗い目のヤスリが欲しいです・・・
2006年4月17日(月) ヴィオラのニス塗りしています。
数日間、更新が滞っていましたが、自宅パソコンを修理していました。ずいぶん前からハードディスクから嫌な音が聞こえていたのですが、ここにきて、いよいよダメになってきました。
しかたないので、昔使っていたハードディスクと交換、ついでにWindowsも再インストールと結構、おおがかりに作業していました。自作パソコンなので、メーカー製よりも融通がきく反面、以前と同程度の環境を構築するのは結構面倒です(^^;
予断はさておき、ヴィオラのニス塗りをしています。写真は色つきのニス(アルコールニス)を12回塗ったもの。う~ん、こうして見ると色むらあり。注意しながら塗っていきたいと思います。
ナイフを作っています。柄は、楓の余り材。またしても、「ささかま」な形のナイフにしようと思います。
2006年4月20日(木) 渦巻き
今日、作りかけのスクロールを先生に見ていただいているときに、ようやく気づきました。渦巻きの形。たとえば、風呂の栓を抜いたときにできる渦。私の言いたいことのニュアンスは伝わらないかもしれませんが、あの渦のように、綺麗に均等な間隔で巻いていかないといけない・・・そういう目で見れば、私の渦は不安定。他の人は、すでに理解されているであろうことを、ようやく分かりかけた気がした1日。
2006年4月21日(金) ヴィオラ・ニス塗り14回目。
ニスは小ビンに入れて使っていますが、何回も塗っていると当然、量が減ってきます。先日から、実はニスが少なくなってきたのですが、あまり気にせず、ビンの底の方(下の方)のニスを使っていました。でも、これは先生によるとNG。下のほうに溜まっているニスは、使えないニスだそうです。確かに、妙に粘るし、汚いし、塗りにくいな~と思っていたのですが・・・ひとつ勉強しました。
14回目のニスを塗りました。反射の関係で色々なものが映りこんでいますが、写真を見るとちょっとオレンジっぽいですね。本当は、茶色(ダークブラウン)のような感じが良いかな~と思っているのですが・・・もうあまり回数は塗れませんが、ちょっと色を濃くしていければと思います。
2006年4月24日(月) スクロールガウジ。
以前より、揃えていたスクロールガウジ。グラインダーで刃先を整えて、ようやくすべての刃を出しました。9本分。思ったより大変でした(^^;同一メーカーでなく、いろいろな会社のガウジが混ざっていますが・・・
右の方に見えるのは、作りかけのスクロール。全然、進んでいませんね・・・
2006年4月26日(水) ヴィオラ・ニス塗り16回目。
ニス塗りする前ですが、先ずは塗装面を整えています。よく見ると、刷毛後や、色が濃い個所、汚い個所等があります。こういう個所をスクレーパーで綺麗に掃除。先生にお聞きすると、色を意識的に濃くした方が(より自然に見えて)良いという個所もありますので、そのような点も一応、頭に入れて作業。(実現できているかは別ですが・・・)スクレーパーが終わった後は、非常に目の細かいペーパーで面を整えています。私の場合は、今まで恐る恐るやっていたのですが、もっとゴシゴシよやっても良いそうですので、今日は、いつも以上に念入りに力強くやりました。そして、ニス塗り。
以前より濃い色になってきました。しかし、今日は他にも色々なことがあったとはいえ、ニス塗りだけで1日終わってしまいました。とほほ・・・
2006年4月29日(土) ヴィオラ・ニス塗り19回目。
ついに19回目になりました。いよいよラストスパートです。
しかし、この段階になると、1回のニス塗りにすごく時間がかかってしまいます。私だけかもしれませんが・・・
そうそう、ゴールデンウィークですね。皆さん、よい連休をお過ごしください(^^
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製作日記(2006年3月)
- 2006年03月31日 (金)
- 製作日記
2006年3月2日(木) 今日思ったこと。
「よく切れるスクレーパーの一削りは、切れないスクレーパ100回に勝る。」いまさらですが。。。スクレーパーの調整本当に大事です(難しいですが)。。。
2006年3月3日(金) 表板裏面の荒削り。
表板のアーチ出しがほぼ終わりましたので(←そう思っている)、f字孔をあける前に表板裏面を荒削りしています。ごつごつと凹凸がありますが、荒削りの段階なので気にしないで作業しています。もうすぐf字孔です。
2006年3月7日(火) f字孔に入りました。
ヴァイオリンですが、f字孔を切っています。f字孔のパターンは、本に載っているグァルネリからとりました。本を見てて思いましたが、グァルネリでもf字孔の形が結構色々あり、思っている以上に違うんですね。(当たり前か。)
とりあえず、まだ切り始めたばかりですので、全然形になっていません。これから徐々に綺麗にしていこうと思います。
2006年3月10日(金) f字孔終わりました
昨日ですが、体調が悪いので病院に行ってきました。案の定、風邪だったのですが、診察待ち1時間、診察3分。。。ひどいです。診察待ちで余計に具合が悪くなりました。
余談はさておき、f字孔ですが、当初先生にお見せしたときは、「mousy」といわれてしまいました。ネズミのように小さく縮じまっているということのようです。もう少しダイナミックさが欲しいのですが、やはりそううまくはいかず難しいです。
私たちの工房では、f字孔はヤスリを使わずにナイフ一本で仕上げます。先生いわく「慣れれば、ヤスリを使うよりも早くて綺麗にできる」とのことですが、私の場合はまだまだ修行が足りませんので時間がかかってしまいます(^^;とりあえず、修正しながら写真のように一通り完成しました。
2006年3月15日(水) スクレーパー。
久しぶりの更新ですが、ここ数日何をしていたかと言いいますと、表板のアーチについて先生からダメ出しがでまして。。。スクレーパーでアーチを整えていました。
スクレーパーについて、数点、気づいたことがあります。まず、私の、切れているという感触と、先生の切れているという感触は違っていること。(簡単に言うと、私のスクレーパーは切れないということ(^^;)刃の返しの角度が足りていないので、スクレーパーをかなり立てて使わないといけない状態になっていて、普通の人には使いにくいこと。(刃を折り曲げての返しの角度が浅すぎる。)
先生いわく、「切れないスクレーパーを使うと、木を押し付けてしまうので、(特に表板などの軟らかい木では)、木の組織が凹んだ状態になってしまう。その状態で、ニスを
塗ると(水分等で?)組織が膨らみ、結果、凸凹になってしまう」とのこと。(注:そのような効果を狙って、わざと切れないスクレーパーを使う方もいるそうです。)
3台目にして、またしても?スクレーパーに迷走しかかっていますが、原因について少々思いあたるところがあるので、明日ちょっと修正してみようと思います。しかし、スクレーパー調整難しい。現在の私の心境→[スクレーパー、ただの鉄板、でも大事!」
2006年3月20日(月) 裏面削り。
表板裏面を削っています。最初は、豆カンナで大まかに削った後、スクレーパーで整えます。まだスクレーパーかけて間もないので凹凸あります。
「普段、見えないところなので手を抜いてもいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、そうはいきません。この裏面の形状は、かなり音に影響を与えるそうです。考えてみれば、確かに、共鳴箱の内部の壁ですからね。0.1mmの精度で形(厚さ)を出していきますので、結構大変です(^^;
ヴィオラでは、0.2mmくらい薄いポイントができてしまったので、今度はジャストに出来れば良いですが。
楽器製作者の方へ:ブレークポイントについて、概要や考え方など知りたいのですが、どなたかご存知ないでしょうか?
2006年3月22日(水) 裏面削り出来ました。
表板裏面削りですが、表板を手でたたいてみて(タッピングというのかな?)音の変化を確かめながら、スクレーパーで削っています。厚さによって、たたいたときに聞こえる音が変わっるので、ちょっと面白いです。
とりあえず、目安のサイズにしましたが、先生にお見せすると、たたいたときの音がイマイチとのこと。ということで、ブレークポイント近辺の厚さをちょっとづつ落としながら、整えてました。
ひょっとすると、アーチが高い楽器は、厚さを薄くするのかな?全く確信はありませんが、そう思ったり。ブレークポイントについてもよく分からないことがあり、色々と考え中です。
2006年3月24日(金) パッチ。
ヴァイオリンですが、表板裏面にパッチを貼ることになりました。新作ヴァイオリンでは、パッチが貼られているものはあまりないかもしれませんが、私の先生は念のためにパッチをすることが多いそうです。私は1台目、2台目の楽器にはパッチをしませんでしたので、今回がパッチ初体験です。
とりあえず松材をアーチの形状にあわせて削り、ハギライン上に10枚貼り付けました。後日、形を整えていきます。
2006年3月27日(月) チビ助。
左、普通のヴァイオリン。右、チビ助。普通より小さいので「チビ助」です。私に、サフランを塗られ、体中から良い香りが漂っています。
チビ助のアップ。
え、「こんな小さいヴァイオリンいつ作ったのか」って?
ふふふ、チビ助の出生は謎につつまれているのです。
2006年3月28日(火) バスバー。
先日貼り付けたパッチの形を成形した後、バスバーに入りました。バスバーの厚さは5.5mmにしました。先生によると、ニューヨークスタイルだそうです。まだフィッティング始めたばかりです。
2006年3月29日(水) バスバーニカワ付け。
バスバーのフィッティングには、チョークを使っています。表板のバスバーを接着する箇所にチョークを塗っておき、その上に成形中のバスバーを押し当てると、出っ張っているところにチョークがつきます。で、そのチョークが着いている箇所を削っていけば、ぴったりフィットするといった按配です。実際には、バスバーの両端にわずかな隙間を入れて、少し力を入れた状態でフィットするように成形しています(テンションを入れる)。(テンションを入れない方もいらっしゃるそうです。)
フィッティングを確認してニカワ付けしました。ぴったりくっついていると良いですが。
2006年3月31日(金) バスバー終り。裏板厚さ出しへ。
バスバー、作業をすすめました。とりあえず自分なりに、写真のような形に成形しました。が、今日、先生にお見せすると「pointed」と言われてしまいました。バスバー中心部がわずかながら尖り気味になっているので、もう少し滑らかなカーブが良いとのことです。今の形でも、悪くはないとのことですが、次回からは、この点にも注意しようと思います。多少なりとも音にも影響あるでしょうし。
バスバーが終わりましたので、裏板の裏面を削って、裏板の厚さ出しを行う工程に入りました。そうそう、ヴィオラのニス塗りも始めました。
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