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読書の杜 Archive
ただマイヨ・ジョーヌのためでなく
- 2011年02月16日 (水)
- 読書の杜

困難に立ち向かう勇気を与えてくれる珠玉の一冊です。
ランス・アームストロングは生存率20%以下と言われた睾丸癌からの復活を果たし、自転車レースの最高峰ツール・ド・フランスで奇跡的な復活を遂げます。
癌発病によるバラ色の人生からの転落、死への恐怖、極度の無力感、自分とは何か・・・。
「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」のタイトルが表しているように、本書は自転車レースの本ではありません。
ここに書かれているのは、自分のエゴや感情に悶え苦しみながらも人生に積極果敢に立ち向かう、一人の偉大な人間の記録です。(原題は『It’s Not About the Bike』(直訳では「自転車についての話じゃない」というタイトルです。)
入院中に読みましたが、余りに感動したためベッドの中で自然に涙が出てしまいました。
何事も不可能なことはありません。
あるのは諦めてしまった自分だけです。人生は切り開いていくことができます。
是非、手にとって頂きたい一冊です。
癌も同じだ。どんなに品性方正で、体が丈夫な人でも癌になる。人は癌に勝つためにあらゆる手段を講じる。それでも、人は死んでいく。これは絶対的心理だ。人は死ぬ。それを知った後では、すべてのことは無意味に思える。すべてが小さく思えるのだ。
恐怖とはどういうものか、僕は知っていると思った。自分が癌だと聞かされる前は。本物の恐怖、それはまぎれもない。まるで体中の血が逆流するような感覚とともにやってきた。それまで恐れていたこと―人に好かれないのではないかとか、笑われるのではないかとか、財産を失うのではないか―といった恐怖は、突然、単なる、臆病にすぎないように思えた。
最後にフィニッシュラインの所に戻り、僕は涙を懸命にこらえながら記者たちに話した。「信じられない。本当に。すごいショックです。僕が言いたいことはただ一つ。もし人生で二度目のチャンスを与えられたら、徹底的にやり抜くことです」
本当の話、ツール・ド・フランスでの優勝と癌のどちらを選ぶか、と訊かれたら、僕は癌を選ぶ。奇妙に聞こえるかも知れないが、僕はツール・ド・フランス優勝者といわれるよりは、癌生還者の肩書きの方を選ぶ。それは癌が、人間として、男として、夫として、息子として、父親としての僕に、かけがえのないものを与えてくれたからだ。
病気が僕に教えてくれたことの中で、確信をもって言えることがある。それは、僕たちは自分が思っているより、ずっとすばらしい人間だということだ。危機に陥らなければ現れないような、自分でも意識していないような能力があるのだ。それは僕の運動選手としての経験でも得られなかったものだ。
だからもし、癌のような苦痛に満ちた体験に目的があるとしたら、こういうことだと思う。それは僕たちを向上させるためのものなのだ。
講談社
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「人を動かす人」になれ!
- 2011年01月12日 (水)
- 読書の杜

日本電産社長の永守重信さんの著書。
熱血漢タイプの経営者。
創業以来のご苦労から得た言葉には重みがありますね。
上辺の綺麗ごとでない、実際のどろくさい面も書かれている点に共感します。
本書から気になった言葉をいくつかご紹介します。
「人間の魅力というのは、学歴とか学力などではおしはかれるものではない。未来に対し、自己の持つ知力と体力を結合し、それをほとばしるエネルギーに転化できるかどうかにある。志に向かう一途な魂の燃焼こそ魅力の根幹である」 これは私の好きな言葉の一つであるが・・・
先憂後楽という言葉がある。困難や苦しみを前もって味わっておけばおくほど、後の楽しみは大きくなるという言葉だが、会社や人生にもそっくり当てはまる。要するに、人間の一生の収支はプラスマイナスゼロ。先に楽をすれば後々苦労をすることになるし、先に苦労をしておけば、後でそれほど苦労をしなくて済む。
三笠書房
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社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
- 2010年11月09日 (火)
- 読書の杜

ハイパーネット元社長の板倉雄一郎氏の著書。
ご自身の実体験を率直に述べられているので非常にリアルです。
時代の寵児から一文なしの破産者まで、彼の放漫経営に原因があるのは明らかでしょうが、時代がそうさせた面も否定できないと感じます。
時はインターネットベンチャーブーム、世の中全体が浮かれていた半狂乱の時代、彼の元には銀行やベンチャーキャピタルから続々とお金が集まります。
それが一転、メインバンクからの融資が受けれなくなり、社内謀反あり、勿論米国ナスダック上場も夢物語。
この時期はちょうど、銀行が自己資本比率を気にかけ、いわゆる「貸し渋り」が問題となり始めた時期と重なります。また、ベンチャーブームの陰りが見えてきた頃でもあります。
本書を読むと、企業が猛烈な勢いで成長しだすと、社長であっても会社の制御が不能になる様子がよく分かります。また日本社会の保守性(これは良い面もありますが、ベンチャーからすると圧倒的に悪い面が多い)が、いかに優れた企業をつぶしてきたのか考えざるを得ません。
日本でなく米国であったならば、違う結末となっていたのかもしれません。
ありのままの失敗談を記すのは、相当の覚悟が必要であったろうと思います。
諸々を考えされられる名著です。ベンチャーや起業等に興味のある方は一度読むべきです。
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夏への扉
- 2010年11月07日 (日)
- 読書の杜

読み終わった後、「ローマの休日」を思い出しました。
物語自体には、何の関連もないのに何故なんだろう?と感じますが、おそらくどこか爽快感がオーバーラップしたのでしょう。
冷凍睡眠、タイムマシン等の要素は出てきますが、それも最小限です。
なんにもまして主人公「ダン」の愛すべき性格。
そして「ゴロニャン、ニャオウ」というピートの可愛らしさ。
本書の西暦2000年の世界は、風邪が撲滅され、永久虫歯治療や局所的な重力制御等が可能になっている、まるで夢の世界です。昔の人は、未来はこんなになると考えていたんだろうなあ。
私、熱中して読んでいましたので、降りるはずだった駅も降りずに、そのまま30分ほど電車に乗って読みふけってしまいました。
名作ですね。この気持ちよさを味わって頂きたいです。
早川書房
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気持ちのよい作品です
「なんかいいSF小説ない?」と聞かれたら先ず勧める一冊
大きく生きよう
タイムトラベルの決定版
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暗号解読
- 2010年10月12日 (火)
- 読書の杜

役職の高い、ある年配の方からお聞きした本。
「君は、暗号解読を読んだか?」
恥ずかしながら私はサイモン・シンを知らなかったのです。
暗号解読は彼の第2作目。
暗号は軍事と密接に関連して発展してきました。
カサエル暗号からドイツ軍のエニグマ、そして理論的に解読不能な量子暗号まで、暗号の進化史を順を追って体験できます。
本書は科学ドキュメンタリーの分野ですが、退屈さは全く感じません。
むしろ暗号作成と解読に挑む天才達が織り成すドラマにグイグイ引き込まれます。
サイモン・シンの力量は勿論のこと、訳も素晴らしい。
第一級の読み物。
知的好奇心を大いに満足させてくれます。
ぜひお勧めします。
新潮社
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暗号に興味がわく
後半すこしだれました。
人間の知恵の奥深さに驚愕
傑作
暗号技術を簡単に理解できる名著
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