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帰納法

演繹法と帰納法をご存知ですか?

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古川英夫さんの講演会があり、興味があったので行ってきました。

古川さんは一橋大学卒業後、銀行、コンサルタント会社に勤務し、独立後は経営コンサルタントや税理士、研修等をやっておられる、50代中盤の方です。

非常に面白い内容でしたので、ご紹介します。

演繹(えんえき)法帰納法というものをご存知でしょうか。
昔、数学の時間で出てきた気がしますね。
演繹法は第一に目的にフォーカスして次に達成するための手段を考える、一方、帰納法は先ず手段に拘ってそこから目的に達するものです。(実際の定義とは若干異なるかもしれませんが、そのように理解しました。)
両者の観点から物事を見ていきます。

例えば英会話をマスターしたいとした場合。
帰納法では、先ず教材を揃えたり文法を勉強します。これらをやれば英語がしゃべれるようになるという発想。
一方、演繹法は、「現地(アメリカ)に行っちゃおう」的発想です。目的を達成するために有効な手段を選択します。

職業選択の場合。
帰納法では、固定給やボーナス、退職金などは良いか、安定して働けるか等の条件が先行します。
演繹法では、やりがいや生きがいが先ずあります。次にそれを実現できるのはどの会社なのかを考えます。(固定給に対しては実績給、安定に対してはリスクを負うということになりますね。)

次に会社レベル。
新規事業の場合。
帰納法では、現状の経営資源の範疇で考えます。年功序列を崩さず、自己資金で実行、必要な技術が自社にないなら諦める。
演繹法の場合は目標達成に向けて、抜擢人事や他社からのスカウト、ベンチャーキャピタルの利用、外部からの技術調達となります。

更に国レベルではどうなるか。
政治家を評価する場合。
帰納法では、倫理や清潔を問います。(これは昨今のワイドショーなどでお馴染みですね。)
一方、演繹法では政策を問います。倫理や清潔は大した問題ではないと考えます。

予算策定の場合。
帰納法では集まる税収を元に使途を決めます。
演繹法では、使途ありきで税収を考える(場合によっては国債発行)、といった具合です。

ことわざで例えると
帰納法は、「石橋をたたいて渡る」「寄らば大樹の陰」「うそは泥棒の始まり」。
演繹法は、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」「清水の舞台から飛び降りる」「うそも方便」などです。

一般に日本人は帰納法タイプが多いそうです。逆に創業社長となるような方は演繹法タイプが多い。
これはどちらが良いという性質のものではありません。

演繹法タイプのイケイケの社長さんは調子に乗ってどんどん突っ走ってしまう傾向にありますので、帰納法タイプの幹部を置いて諌めないといけない。そうしないと会社は潰れる。長年のご経験からの真実だそうです。
自社社員で新規事業を行おうとすると大抵うまくいかない。何故か。多くが帰納法タイプの人材だからです。そんな場合は演繹法の視点で考えてみる。

要はバランスということです。

先ず自分がどちらのタイプかを見る。大抵の場合、何もしないとそのタイプの傾向がどんどん強くなっていくそうです。これでは具合が悪いので意識的に逆の方向に行くように心がける。これが大事との話です。

このような対比は初めて聞きましたので非常に新鮮でした。

古川さんはもともとは帰納法的タイプでしたが途中で演繹法タイプに変わられたそうです。(その過程で胃潰瘍になるくらい苦しかったと言われていましたが。)
私ももともとは帰納法タイプの人間でしょう。それが今、徐々に演繹法タイプに変わりつつある、そんな中でお聞きした内容ですので心に残ったということなのかもしれません。

皆さんはどちらのタイプでしょうか? そしてどちらのタイプになりたいですか?

(他の備忘録)
・初速が大事。
・マイナス思考で課題をあげてプラス思考で解決策を考える。
・成功哲学ドランカーになるな。

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